茶の湯 歳時記

卯月4月
茶の湯 歳時記 · 2024/03/27
🔶透木釜🔶 三月に好んで使われた釣釜が、日増しに暖かくなる四月に入ると、透木釜にとって代わられます。 炉の火が暑く感じられるようにあるこの時期に、透木を使って平蜘蛛釜や達磨釜など扁平で羽のある釜で炉壇をおおうのは、少しでも客から火をとおざけようとする亭主の心遣いです。透木は、炉壇と釜の羽の間にはさむ桐、桜、梅などの木片のことで、透木を使う時は五徳は用いません。

弥生3月
茶の湯 歳時記 · 2024/03/23
🔶釣釜🔶 炉の季節が終わりに近づく三月になると気候も暖かくなってくる時期には、釣釜が好んで用いられます。 通常、釜は炉の中に設置した五徳の上に乗せられていますが、釣釜は、広間では鎖を、小間では竹の自在を天井の蛭釘から提げ、大鎖・糸鎖をつけた小ぶりな釜を弦を使って釣ります。 釣釜には、雲龍、車軸、鶴首、棗形といった細長い小さめの釜が好まれます。 釣り下げている釜なので、点前中に柄杓をかけるときなど、釜がゆらゆらと揺れる様などが、春の風情を表しているとも捉えられます。