四月の行事 ~ 茶道の知識
大師会
明治二十九年に茶人・益田鈍翁が弘法大師筆の「崔子玉座右銘」一巻を披露する茶会を、弘法大師の命日に東京 品川の御殿山の自邸で催したことに始まる大茶会です。現在は東京の根津美術館が会場となって、例年、四月五日、六日に行われています。天下の名器が一堂に集まる豪華な茶会として全国の数寄者や茶人の関心の的となっています。
二条城観桜茶会
本居宣長が詠んだ「朝日に匂う山桜花」などの詩歌に表されるように、四月といえば桜ですが、桜に寄せる茶では、豊臣秀吉が催した「醍醐の花見」が知られています。
京都の醍醐山中を会場として花の枝に小袖幕をかけて催した風流な野点のこの茶会は、当時の人々を驚かせたといいます。
現在も各地で花見の茶会が催されていますが、毎年四月九日、京都二条城内の清流園では、京都市と表千家主催の観桜茶会が盛大に行われます。清流園の庭園内の和楽庵の茶席をはじめ、立札席、野点席などが設けられ、桜花爛漫の下で多数の参会者が花に寄せる優雅な茶会を楽しみます。